寒さが厳しく、雪も積もる地方でのガーデニングに必要になるのが雪吊りや雪囲いです。
もちろん、最も大きな目的は庭木の保護です。
しかし、藁(わら)や薦(こも)など自然の素材を使うことで、寂しい冬の庭のアクセントになる可能性があります。試してみる価値は決して小さくありません。
雪吊り・雪囲い・冬囲い
「雪囲い」は家屋や庭木を風雪から守るために、薦や簀(す)で囲うことや、そうやって作ったものをいいます。「冬囲い」も同様です。
また、「雪吊り」は積もった雪の重みで折れないように、枝を縄や針金で釣り上げて支えることをいいます。
ただし、実際にはかなりあいまいに使われていて、「雪吊り」を「雪囲いの一種」などと紹介されることも珍しくありません。
兼六園の「りんご吊り」も「雪吊り」の一種
最もよく知られている雪吊り・雪囲いは、金沢市の兼六園のものでしょう。
さらに、この雪吊りだけでもいくつかの種類があり、兼六園の場合は「りんご吊り」が冬の風物詩としてよくポスターなどに取り上げられてきました。
松などの木よりもやや高い心柱を立て、その先端から張り出した枝へと何本もの縄を掛けます。これが円すい形になっていて、まるで半分開いた傘ですっぽりと覆ったような姿になります。
北海道では、道庁旧庁舎の周辺や北海道神社の境内などでこのりんご吊りが見られます。
雪吊り・雪囲いの目的
りんご吊りは、もともと、「大きく重くなった実のせいでりんごの木の枝が折れないように」と考え出されました。雪吊りの一種として作られる場合はもちろん、枝に降り積もった雪の重みに耐えるためのものです。
「雪囲い」は寒風や雪混じりの風が吹き付けるのを防ぐためのものです。
藁(わら)や板をつかって、周辺を覆ったり植木そのものを直接覆ったりして、風を避けます。誤解されることもあるのですが、温度を上げる効果はありません。
雪吊り・雪囲いの種類
雪吊りや雪囲いはその目的、あるいは対象とする木々の種類によっていくつものものが考え出されています。
雪吊りの種類
先に紹介した「りんご吊り」は比較的高い木に用いられることが大半です。
また、心柱を立てずに太い幹から縄を張る場合は、「幹吊り」と呼ばれます。
小さくて枝が軟らかいものによく使われるのが、「小しぼり」です。
木全体を外から絞るように縄でまとめます。
ツツジならば、こういった簡単なものでも十分でしょう。
これら以外では、「竹ばさみ」「合掌型」「棚囲い型」などがあります。
雪囲いの種類
風よけに使われる材料は、そのままの藁や藁を編んだ薦、防風ネットなどなど、挙げていけば切りがないでしょう。
直接巻き付けたり、すぐ横に立てかけたりします。
いずれも特に決まった名前はないのですが、フェンス状に作った場合は「防風垣」と呼ばれることがあります。
また、雪吊りをした後で、さらにその上から藁や薦を巻き付けたら、枝折れ対策と防風の両方を兼ねることができます。
木々の種類と環境に合った雪吊りや雪囲いが必要
りんご吊りのような本格的な雪吊りは、手間がかかる上にコツも必要です。
一方で、簡単でしかも効果も高いという雪吊りや雪囲いもあります。
いずれにしても、縄や薦などの材料といくらかのノウハウが必要です。
ぜひ、ジョイフルエーケーにお越しください。担当者に声を掛けていただければ、この両方が手に入るはずです。