データでもやはり目立つ、「雪による被害」
北海道は、ほぼ全域が豪雪地帯、大部分が特別豪雪地帯に指定されています。
北海道がまとめている「平成30年 災害年報」によると、同年1/1~3/31の間に生じた雪害での負傷者は208人、死者は14人。
毎年訪れる災害として猛威を振るっています。
今回は、改めて雪による被害を防ぐ方法をおさらいしてみましょう。
雪害を防ぐ考え方とは
雪害と一言にいっても、除雪中の事故や車での事故、雪のレジャーなど、発生する状況はさまざまです。
それぞれの状況に対して、リスクの所在、雪害を防ぐ考え方、必要なアイテムについてまとめます。
除雪中の事故
雪害での怪我や死亡事故は、除雪時に起きることが多いです。
実際に令和元年度中の雪による人的被害の約9割は、自宅など建物の雪下ろしや雪かき中の事故でした。
除雪中には、以下のようなリスクがあります。
雪下ろし中に屋根の上から転落する
屋根からの落石が直撃したり、埋まったりする
除雪機に巻き込まれる
寒い屋外での重労働で心筋梗塞などを発症する
これらの事故を防ぐためにはまず、必ず2人以上で除雪を行うようにしましょう。
1人だと万が一事故が起きたときに発見が遅れてしまいます。
また屋根からの転落事故を防ぐために、安全帯や命綱、ヘルメットを着用しましょう。
「慣れているから大丈夫」と思っていても、急に雪が滑り落ちてきてバランスを崩してしまうこともあるので注意が必要です。
車による雪道での事故
雪道での運転は視界が悪くて滑りやすく、普段とは異なる危険がいっぱいです。
具体的には以下のようなリスクがあります。
立ち往生による一酸化炭素中毒
ホワイトアウトによる事故
スリップ事故
吹雪の中で運転する際はライトを点灯し、速度を落として車間距離を十分に取ることが大切です。
豪雪地帯では吹雪によって、車で立ち往生してしまうこともあります。
マフラーの周囲が雪でふさがれると、行き場を失った排ガスが車の床下にたまり、車内に入り込む恐れがあります。
排ガスに含まれる一酸化炭素は無色・無味無臭の気体なので、発生に気づきにくく、最悪の場合、一酸化炭素中毒で命を落とすこともあります。
立ち往生したときは、エンジンを切った上で定期的に換気し、マフラーの周辺を定期的に除雪しましょう。
強烈な吹雪で視界が真っ白になる「ホワイトアウト」という現象が起きることもあります。
ホワイトアウトに見舞われた際は、すぐに止まれる速度に減速し、場合によってはハザードランプを出して路側帯に停車します。
歩行者の雪道での事故
雪が積もると滑りやすくなるため、歩行中の転倒事故にも注意が必要です。
以下のような場所は、滑りやすくなっている可能性が高いです。
横断歩道の白線の上
車の出入りのある歩道
バスやタクシーの乗り場
坂道
ロードヒーティングの切れ目
こうした場所を避けて歩く他、転びにくい上手な歩き方を身につけておくことも大切です。
小さな歩幅で、靴の裏全体を地面に付けて、ペンギンのように歩くことを心がけましょう。
雪のレジャーへの備え
スキーやスノーボードなど雪のレジャーでは、以下のような事故が発生しています。
転落や滑落
人や立木への衝突による怪我
コースアウトによる遭難
レジャーでの事故を防ぐには、必ず気象状況をチェックしてから出掛け、レジャー中も天候の変化や自身の体調管理、周囲の状況に十分注意しましょう。
万が一のときにすぐ助けを呼べるよう、単独ではなくグループで行動することも大切です。
雪崩による事故
急斜面や植生がまばらな場所では、雪崩が発生しやすくなっています。
雪崩はとても速いスピードで崩れ落ちてくるため、気づいてからでは逃げ遅れてしまいます。
雪崩が発生しやすい場所を避けることが、一番の防止策になります。
雪崩が発生しやすい条件は以下のとおりです。
気温が低くて積雪が多く、短期間に多量の降雪があった
急斜面で吹きだまりがある
気温が0度以下で、吹雪を伴う
過去に雪崩が発生した斜面
春先や降雨後、フェーン現象などによる気温上昇時
リアルタイムハザードマップの活用を
刻々と状況が変化しやすく、紙のハザードマップでは対応し切れない雪害に対するハザードマップとして、リアルタイムハザードマップが期待されています。
リアルタイムハザードマップでは、時間とともに変化する降雪状況を確認し、それに応じた災害対策ができます。
現在一部の行政機関で試験的に利用されており、今後さらに精度を高めるべく改良が続けられています。
自由に動けるうちに備えをしておこう
北海道での降雪は早い地域では10月から始まり、積雪は11月頃。
動きやすい今の時期に、雪害への備えをしておきませんか?ジョイフルエーケーでは、雪害対策グッズを豊富に取り揃えております。
「何を用意したら良いか分からない…」という方は、ぜひお気軽に店頭の担当者へご相談ください。事前の準備をしっかり行うことで、少しでも雪害のリスクを減らしましょう。