かつては寒い季節にはノミはあまりいませんでした。
しかし、最近では犬でも猫でも室内飼いが増えたこともあって、年中見かけるようになりました。
繁殖力が絶大なため、放置すると少しの間にものすごい数になります。
冬でも油断しないようにしましょう。
ノミを放置してはいけないわけ
ノミを放置しておくと、犬や猫がかゆがるだけではなく、皮膚炎を引き起こしたり寄生虫を持ち込んだりします。
決して軽視してはいけない敵です。
犬や猫に付くノミの種類
日本には約80種類のノミがいます。
かつては、これらのうちヒトノミ・イヌノミ・ネコノミが特に問題でした。
ところが、ヒトノミはほとんど見られなくなり、イヌノミも減っています。
今でも注意しなければいけないのはネコノミです。
名前はもちろん、「猫に付くノミ」というところから来ていますが、実際には人や犬にも付きます。
それどころか、今では犬に付くノミもほとんどがネコノミです。
ノミの生態
蚊(か)の場合は血を吸うのはメスだけですが、ノミはオス・メスともです。
ネコノミの場合で大きさは、1〜3ミリ程度です。
「蚤(のみ)の夫婦」という言葉があるようにメスのほうが大きくなります。
この小さな体で、真上ならば15センチ、ヨコにならば20センチ程度かそれ以上も跳びます。
この跳躍力で狙った動物に飛びついたり、逃げ回ったりします。
以下もやはりネコノミの場合でみると、成虫が寄生してから丸2日もあれば交尾も済ませて卵を生み始めます。
その数は1日あたり20〜50個とされています。
卵の大きさは0.5ミリ程度で2〜5日で孵化(ふか)し、成虫になるまでに最大でも2週間程度しかかかりません。
寿命は1〜2カ月とされています。
ただし、気温が低いと産卵も孵化もしません。
13度あたりから繁殖が可能になり、最も活発になるのは20〜30度です。
湿度は70パーセント以上を好みます。
ノミの害はこんなにある
1回血を吸い始めると20分以上も続けます。
しかも、その後でもかゆみは続きます。
犬や猫は吸われた部分を引っかいてしまうこともあり、皮膚炎を起こすことが珍しくありません。
子犬・子猫の場合は、大量の吸血のせいで、貧血さえ起こすことまであります。
また、瓜実条虫(サナダムシ)などいくつかの寄生虫の媒介役ともっています。
ノミはこうやって退治する
散歩中に、地面から拾ってきたりよその犬や猫から移されたりと、常にノミが付く危険があります。
そうなったときに慌てないように、ノミ退治のノウハウは普段から身に付けておかなければいけません。
ノミの見つけ方
体が小さい上に動きも速いので、なかなかノミ自体には気が付かないかもしれません。
しかし、糞(ふん)ならば見つけるのは簡単です。
ブラッシングやコーミングのときに、被毛の奥に黒くて小さな粒状の糞がないか気をつけるようにしましょう。
また、成虫を見つけて捕まえることができても、押しつぶしてはいけません。
メスだった場合、卵が飛び散って大繁殖させてしまうことにもなりかねません。この場合、粘着テープなどで絡め取るのがおすすめです。
自宅でできるノミ対策
まずは、ペットの体を清潔に保ち、飼っている部屋などもしっかり掃除しましょう。
フケや食べかすなどは幼虫時代のエサになっているので、これをなくしておくのです。
あとは、ノミを引っ掛けることができる「ノミ取りクシ」、ノミを仮死状態にできる「ノミ取りシャンプー」、ノミが寄り付かないようにする「ノミ取り首輪」、全身に振りかける「ノミ取り粉」などが自宅できるノミ対策の代表です。
動物病院でも診てもらう
動物病院ならば各種の薬剤も出してもらえるので、こちらも検討してみましょう。
自宅でやる対策よりも効果は絶大です。
たとえば、内服タイプの駆除薬を使えば、体の内部から有効成分を行き届かせることができます。
成虫だけではなく卵や幼虫も駆除でき、即効性もあるものが開発されています。
ただし、効果が持続するのは1〜2日程度なので、成虫だけではなく卵・さなぎが自宅などに残っていないようにしなければいけません。
「スポットタイプ」と呼ばれ、液剤を皮膚の外から染み込ませることで同様の効果を発揮するものもあります。
3カ月程度も効果が持続するものも登場しました。
これならば、飼育環境を改善するのにもう少し時間の余裕ができるでしょう。
内服薬・外用薬とも安全性はしっかりと確認されていて、健康などへの悪影響はほとんど心配ありません。
半端なノミ対策ではいたちごっこになるだけ
ノミをいったん退治しても、繁殖する環境や外で拾ってくる状況を変えないままでは、いたちごっこになるだけです。
本腰を入れた対策をしなければいけません。
ジョイフルエーケーならば、予防のためのものから発生した成虫・幼虫を退治するものまで各種のグッズがそろっています。
また、詳しいスタッフもいます。愛犬や愛猫のためにぜひご利用ください。