仏様に手を合わせる際に鳴らすおりん。
仏壇に必ずと言っていいほど置かれており、日本人にとっては馴染みの深いものです。
おりんと一口に言っても、実はその種類はさまざま。
そこで今回は、おりんの種類と選び方についてご紹介します。
おりんとは
そもそもおりんとは、どういった意味があるものなのでしょうか。
おりんは、「梵音具(ぼんおんぐ)」という音を出す仏具のひとつです。
木魚やお寺の鐘なども梵音具にあたります。浄土真宗・天台宗では「鏧(きん)」、日蓮宗では「鈴(りん)」、その他の宗派では「鐘(かね)」など、宗派によって呼び方が異なります。
おりんは金属のお椀のような形をしており、「りん棒」と呼ばれる棒で叩くと「チーン」と澄んだ音が鳴り響きます。
おりんの音は人々の邪気を払い、祈りや供養の心をのせて極楽浄土の仏様にまで届くと言われています。
「子どもの頃に何度も叩いて怒られたことがある」という方も多いかもしれませんが、楽器ではなく正式な仏具なので丁寧な取り扱いが必要です。
おりんの種類
おりんには、大きく分けて以下の4種類があります。
・鉢型
・印金(いんきん)
・高台りん
・モダン仏壇、洋風仏壇用
鉢型は鉢や壺のような形をした、昔ながらの一般的なおりんです。
鉢型のおりんは直接仏壇には置かず、「りん台」と呼ばれる台の上に置き、さらに鳴らした際の衝撃で傷がつかないように「りん布団」という中敷きを敷きます。
印金は、お墓参りや法事・法要、八十八カ所の巡礼などで使う携帯用のおりんです。
持ち手の上に小さなおりんと「りん布団」が付いており、ハンドベルのように手で持って鳴らします。
高台りんは、りんに脚がついたワイングラスのような形のおりんです。
「りん台」と一体となっており衝撃を吸収してくれるため、別で「りん台」や「りん布団」を用意する必要はありません。
下敷きとして薄い「りん敷き」を敷くこともあります。
近年では、洋風の住宅の増加やライフスタイルの変化に伴い、「モダン仏壇」や「洋風仏壇」などが普及してきました。
おりんも現代の仏壇にマッチするよう、おしゃれなものが増えてきています。
動物や果物をモチーフにしたものや、ガラスや木などの素材でできたものなど、豊富なバリエーションから好みのものを選べます。
美しい音色に心安らぐおりん
今回は、おりんの種類と選び方についてご紹介しました。
形状も音色もバリエーション豊かなおりん。
澄み切った美しい音色は、仏様に祈りを捧げるだけでなく、私たちの心も癒してくれます。
使用する場面や仏壇のデザインに合わせて、ぴったりなおりんを見つけましょう。
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