
こんな時だから考えたい「犬の散歩」の大切さ
雪国での犬の散歩は大変です。中でも小型犬・室内犬を飼っている人の多くは、それらが寒さに弱いこともあって、「冬の間は無理。再開するのは春になってから」と考えていたのではないでしょうか。ところが、新型コロナウイルスの流行で、北海道でも2月3月に外出自粛要請が出されるなど、春を目の前にして出ばなをくじかれた形です。ですが、散歩は愛犬の心身の健康に欠かせません。できることならば、連れて行くようにしましょう。
犬に散歩が必要な理由
犬に散歩が必要なのは、人間が体を動かして鍛えたほうがいいのとほぼ同じ理由です。
- 筋力、持久力が付く。肥満の予防、解消にもなる。
- ストレス解消になる。
- 日中ならば、日光浴にもなるので皮膚病の予防になり、骨を丈夫にするのに欠かせないビタミンDが合成される。
- 行動をともにすることで、飼い主とのコミュニケーションが促進される。
散歩が必要なことは、真冬の北海道の室内犬も同じです。寒さでのダメージと天秤(てんびん)にかけて、寒さが勝っているだけなので、服を着せるなどの工夫で解決できるのならば、少々の寒さや積雪でも連れて行くようにしましょう。
必要な散歩時間
「どのくらいの時間、散歩させればいいのか」はなかなか難しい問題です。
体の大きさだけでななく、犬種でも考える
目安としては、次のようなものがあります。これらは、1日2回行くとして、その1回分の時間です
- 小型犬=10分〜30分
- 中型犬=30分〜1時間
- 大型犬=1時間以上
また、「もともとその犬種は何を目的に品種改良されたか」も考えましょう。
たとえば、レトリーバーやビーグルは猟犬です。コーギーやボーダー・コリーならば牧羊犬です。いずれもかなりの散歩好きで、ジョギングのお供にも適しています。また、セントバーナード、グレート・ピレニーズといった犬種は体形から見ても分かるように、犬としては走りが得意ではありません。超大型犬なので長時間の散歩が必要なのは間違いないものの、ゆっくりめに歩いたほうがいいでしょう。
犬の様子を見て、時間の長さを調整する
人間がそうであるように、犬にも個体差があります。年齢も左右すれば、その時々の健康状態も違います。あまり杓子(しゃくし)定規に考えるのではなく、愛犬の様子も判断材料にしましょう。
散歩の途中で動かなくなったり、家に帰ってきたらそのまま長時間寝てしまったりするようでは、散歩の時間が長すぎるか、歩くスピードが早すぎるのかもしれません。家に入りたがらないのであれば、逆にもの足りなく感じている可能性は高いでしょう。
相手は口で説明できないので、飼い主の方でしっかりと観察して気持ちをくみ取らなければいけません。
散歩は飼い主にも必要なのでは
散歩を面倒に思っている飼い主もたまにはいるかもしれません。そうであっても、飼い主にとっても健康維持などに役立っていないでしょうか。もちろん、楽しみにしているばかりか、「以前は運動不足だったから、その解消のために犬を飼って散歩をしている」という飼い主も少なくないでしょう。
新型コロナウイルスについては、まだよくわかっていないことも多いようです。しかし、どんな感染症でも対策のひとつは、「免疫力を上げる」です。確かに新型コロナへの警戒も必要で、安易には外出はできません。そうであっても、「散歩をしないことは、愛犬だけではなく、自分の健康度も下げてしまうかもしれない。免疫力も下がる可能性がある」ことは、頭の片隅に入れておきましょう。